染工房の歴史 昭和25年初代鈴木重司が東京都足立区西綾瀬の地にて「鈴木染色工芸」として創業いたしました。 昭和52年に二代目鈴木洋行が法人化して「有限会社 あやせ染芸」と社名を変更し、藍染・江戸紅型染・草木染で着物・帯の染色加工をしてきました。 平成23年に三代目鈴木康祐が代表となり創業70余年の伝統を受け継いでいます。 現在は手挿し江戸紅型染・松煙染め・豆引き染を中心に染色加工を行っています。 当染工房作品の「江戸紅型」は琉球の紅型を関東で好まれやすい落ち着いた渋好みにし、江戸独自の型染め技法で染めたもののことを言います。 琉球紅型が染料を使うのに対し、江戸紅型は顔料を使うためふんわりとした優しく豊かな色あいが特長です。 代々受け継がれてきた伝統技術、東京の伝統工業産業を多くの方に知っていただき、多くの作品を皆さまにお届け出来ますよう精進してまいります。 染工房の特長 手仕事へのこだわり 一つひとつ丹念に手作業で行っております。 工業製品にはない手作りの温かみと、熟練の染職人による技が作品に詰まっています。 一貫体制の染工房 「型紙作り」から「糊置き」「色挿し」「蒸し」「水洗い」「湯のし」まで染めの全工程を一貫して対応可能です。 様々なご依頼に対応可能 ご指定の工程のみ~全工程まで染めのご依頼を承ることが可能です。豊富な実績と経験を糧に、お客さまの多種多様なご要望にお応えいたします。 製作工程 手仕事への飽くなき想い。受け継がれる伝統技術と染め職人のこだわりを一心に。 その1 -型紙作り- 図案を作り型紙を彫ります。 色鮮やかな完成図を思い描きながら、小刀を使って様々な模様を彫っていきます。 その2 -糊置き- 約7mある長板に霧を撒いて生地を張り、型を置いていきます。 型紙の長さは30~40㎝くらいなので、一反を染めるには針穴のような星という目印を合わせて数十回の型置きを繰り返します。 糊は繊細で少しの力加減で線が太くなったり潰れたりしてしまいますので、何回も繰り返し作業をして技術を磨きます。 その3 -糊乾燥- 糊は餅粉で出来ているので、乾燥すると固くなります。 天候に左右されるため、天気予報をチェックしながら作業の工程管理をしています。 その4 -色挿し- 刷毛に顔料を付けて丁寧に挿していきます。 顔料は粒子が大きく不溶性で、発色は良いのですが染料に比べて染まりにくいという特性があります。そこで、何度も色を浸透させる作業を繰り返し、更に立体感を出すためボカシながら色を重ね付けしていきます。 その5 -色乾燥- その6 -蒸し- 木枠に生地を掛け、木製の蒸し箱に入れて色を定着させるために100度位の蒸気で40~50分蒸します。(季節や挿し色の濃度によって時間が変わります。) 蒸すことで色の発色も鮮やかになります。 その7 -水洗い- 大きな洗い場で生地を等間隔に手繰り寄せながら、泳がせるようにして丁寧に糊や余分な顔料を落とします。 水洗いの仕上げに、きれいに糊が落ちているかを確認するため巻き芯に巻きながら入念に洗っていきます。 その8 -平干し乾燥- 張り手に挟み引っ張り、平らに干して乾燥させます。 その9 -湯のし・完成- ※「湯のし」の工程のみ専門業者に委託しております。